2017年2月議会報告

定例議会報告

イメージ:定例議会報告

平成29年2月定例議会が開かれました。2月16日から3月15日の本会議で、代表質問は、五百川純久、一般質問は、岡本昭二・浅野俊雄・田中明美・佐々木雄三・園山 繁・山根成二・高橋正彦、7名の議員、一問一答方式の質問は、池田 一・加藤 勇・小沢秀多、3名の議員によって行われました。


五百川 純寿 議員(代表質問)

知事の県土論とは
【問い】島根の現状をどう考えるのか、どのような島根を目指すのか、知事に県土論を明確に示すべきと以前から申し上げている。心豊かで自然と歴史に育まれた島根をイメージするコンセプトを明確に掲げ、各部局がコンセプトの具現化を目指し、施策を積み上げていくべきだ。知事の考える島根の魅力、島根らしさとは何か。どのように取り組んでいくか伺う。

【知事】島根の魅力は、豊かで自然や古きよき文化、歴史に囲まれ、ゆったりと暮らせる環境、勤勉で粘り強い県民性、豊かな人間関係の中で仕事と子育てが両立できる環境がある。また、近年は地方のほうが暮らしやすい、いろいろな面で豊かではないかと思う若者が増えてきている。観光を中心に認知度も高まっており、プラスのイメージをUIターンや企業立地など島根の発展に繋がる幅広い分野に波及させる好機と考える。広報部を新たに設置し、島根の魅力、島根らしさをどのように表現するか、調査検討し、関係部局と連携して情報発信をする。そして、市町村や県民の皆様と総力を結集し、「地方の先進県しまね」を目指す総合戦略に全力で取り組む。

 

総合戦略の新規・拡充予算について
【問い】子育て支援、産業振興、中山間地域・離島対策の3本の柱で取り組んでいるが、実効性を検証した上で来年度予算に反映すべきではないか。

【知事】総合戦略の進捗状況と課題についての認識だが、産業の振興と雇用の創出については、物づくりとIT産業などの振興策が雇用創出に繋がっているか、若年者が減少する中で、雇用者確保の地域間競争が激しくなっており、人材の安定的確保が懸念されている。結婚・出産・子育て支援対策は、出産数などに効果が出ているが、保育所待機児童が引き続き発生しており、子育て環境のニーズに追い付いていない。移住・定住対策については、UIターン者数の増加が進んでいるが、県の社会減の最大の要因は若年層の県外流出が拡大している。中山間地・離島対策については「小さな拠点づくり」で地域住民の理解と気運の醸成のため、県が主体的に入って実践的活動が必要である。こうした成果と課題を配意し、需要が掴めなかった分野への新規事業の構築、国の施策に関連した隠岐地域の住民等が利用する航路および航空運賃の引き下げ等、継続事業の対象人数、件数などを精査し、29年度当初予算に必要な額を計上している。

 

結婚・出産・子育て支援について
【問い】島根県は育児中の有業率が高く、保育所待機児童の解消、病児保育の促進、放課後児童クラブの整備促進など、子育て環境の整備が不可欠だ。また、仕事と子育てを両立できる環境整備が急務となっている。今後、どのような支援をすすめていくのか伺う。

【知事】島根の合計特殊出生率は10年で0.28ポイント上昇し、平成27年は1.78で全国2位となっている。待機児童解消については、本年度創設した待機児童ゼロ事業の活用、保育所施設整備など市町村と早期解消を目指す。また、来年度予算には保育士給与の平均2%改善、経験に応じた加算措置、潜在保育士の掘り起こしと復職支援を目的に保育士バンクの創設、県外学生の県内保育実習のための旅費助成制度の創設をおこなう。従業員の結婚を応援する会社をしまね縁結びサポート企業として登録し、情報の提供やイベントを開催しながら、子育てしやすい島根の実現を図る。

 

観光戦略について
【問い】平成27年度の観光入り込み客延べ数は3216万人で、出雲地域79.7%、石見地域1.6%、隠岐地域0.7%となっている。世界遺産登録10周年を迎える石見銀山や石見神楽、また隠岐ユネスコ世界ジオパークなどの地域資源を生かし、石見、隠岐地域の観光の底上げとともに、県全体のさらなる観光振興に取り組むべきと考えるが、その戦略について伺う。

【知事】島根県は多くの観光資源に恵まれており、認知度の向上や受け入れ環境の整備、今後伸びが期待されるインバウンド対策などに取り組む必要がある。出雲地域では出雲大社や松江城、たたら製鉄、石見地域では萩・石見空港を利用した首都圏からの誘客推進、石見銀山世界遺産登録10周年を契機とした魅力向上、周辺温泉地や石見神楽などへの周遊促進、隠岐地域では世界ジオパークの体験型観光メニューの開発、国立公園満喫プロジェクトによる世界水準のナショナルパークに相応しい滞在環境の整備などに取り組み、県全体の観光産業の振興に取り組む。

 

中小企業・小規模企業の振興について
【問い】島根県は中小企業・小規模企業が99%以上占めている。高齢化等により廃業率が開業率を上回っており、地域経済に大きな痛手となっている。今年度より事業承継支援事業に取り組まれているが、その状況と今後の展開について伺う。

【知事】事業承継は、蓄積された技術や雇用の継続を通じて、企業経営や地域経済にとっても重要な課題である。市町村や商工団体などと連携し、セミナーの開催による機運の醸成。商工団体に7名の専門推進員を配置し、事業承継計画策定支援や税務面などの相談を行っている。来年度は後継者育成のためのセミナーや助成事業の拡充と地域事情にあった取り組みを進めるため市町村や商工団体と県による地域単位の協議会を設置し、同業者の組合等の活動支援をしていく考えである。

 

 


岡本 昭二 議員(一般質問)

農林大学校における担い手育成について
【問い】県立農林大学校は全国に先駆け有機農業専攻課程を創設した。今後も現場ニーズと連動した人材育成の仕組みづくりが必要と考えるが、若い担い手育成の方針を伺う。

【答え】県オリジナルのアジサイ品種・万華鏡の栽培、美味しまね認証の取得など、学校と現場が連携し、県や現場の農業振興施策を踏まえた教育の実践で県内就農を推進してきた。今後さらに即戦力となる人材育成のため、先進経営体と連携しカリキュラムの充実を図る。

 

 

 

浅野 俊雄 議員(一般質問)

国引きジオパーク構想について
【問い】松江、出雲市などが推進する国引きジオパーク構想は、観光地や地元産品を全国にアピールし、付加価値を高める機会になる。構想実現に向けた将来展望について伺う。

【答え】ジオパークツアーや体験プログラムの開発で、国内外からの来訪者増加が期待できる。構想づくりには古代出雲歴史博物館など県機関も参画しており、国や山陰インバウンド機構とも連携し、受け入れ環境の整備、商品開発など地元の取り組みを支援する。

 

 

田中 明美 議員(一般質問)

放課後児童クラブについて
【問い】国の子ども・子育て支援新制度で平成31年度までに受講が義務づけられた放課後児童支援員の資格研修について、これまでの受講状況と来年度の研修計画を伺う。

【答え】今年度から4年計画で実施しており、今年度は318人が修了した。勤続年数5年以上の支援員が対象の専門性の高い研修も来年度以降実施し、障がいのある子どもに対する専門的な育成支援や食物アレルギー対応など、より充実した育成支援につながるよう努める。

 

 

佐々木 雄三 議員(一般質問)

今後の神戸川の再生について
【問い】来島ダムによる神戸川の分水に関し、流域住民の不信感が高まっている。神戸川の河川環境保全に向けては県、関係市町、中国電力が新たに締結する確認書の記載事項を確実に履行することで、信頼関係を醸成していくことが重要。県の決意を伺う。

【答え】県が事務局となって河川環境を評価する組織を早期に立ち上げる。今後10年かけて関係機関が連携しながら確認書の内容を確実に履行し、神戸川がよりよい環境の河川となるよう努める。

 

 

山根 成二 議員(一般質問)

水田放牧や飼料用米の普及について
【問い】水田放牧や飼料米を奨励する上で、課題克服と、普及のための対応策を伺う。

【答え】水田放牧では放牧実践スクールや放牧アドバイザー設置などで人材育成を図り、集落や畜産農家、関係機関と連携して、課題である集落営農の法人化や経営多角化、法人の広域連携を推進する。飼料用米では平たん部の大規模農家への集約化を図り、多収穫品種の導入や効率的な貯蔵保管体制、供給先とのマッチングなどの課題に対応する。

 

 

高橋 雅彦 議員(一般質問)

中山間地農業対策について
【問い】中山間地域の活性化は県の総合戦略の大きな柱であるが、国が新規事業として打ち出した「中山間地農業ルネッサンス」事業への評価、期待について伺う。

【答え】補助事業や基盤整備事業など、中山間地域に配慮した予算の優先枠の設定や、要件の緩和などが盛り込まれている。事業を活用し、経営の多角化が展開できるよう集落営農組織の法人化や広域連携を進め、中山間地域の担い手確保、活性化に取り組む。

 

 

池田 一 議員(一問一答)

広報部の役目について
【問い】広報は単なる情報発信でなく、県が何を考え、県政をどう進めるか県民に説明し、十分理解してもらうという重要な役目と責任を担っている。県内、県外それぞれに向けたやり方を含め、広報部の狙いを伺う。

【答え】県の情報を整理して、県民に分かりやすく伝えていくことは大変大事で、県外に向けて島根の住みやすさや魅力を分かりやすく説明することも重要。それには一定の技術や経験が必要であり、新設する広報部で強化していく。

 

 

加藤 勇 議員(一問一答)

「3010動」の推進について
【問い】宴会の食べ残し対策で、最初の30分と最後の10分は食事に集中する「3010運動」が全国的に広がりつつある。県庁内や関係団体への働きかけを含め、今後の取り組みを伺う。

【答え】全国おいしい食べきりネットワーク協議会に参加し、忘新年会シーズンに合わせて昨年12月から県庁内の取り組みを始めた。今後は県広報紙や新聞広告による啓発や、市町村や民間へも幅広く呼びかけ、全県的運動として広く浸透させる。

 

 

小沢 秀多 議員(一問一答)

障がい者問題について
【問い】日本が平成26年に批准した国連障害者権利条約の持つ精神について所見を伺う。

【答え】障がい者に関する初の国際条約で、その前提として障害者差別解消法など数々の国内法が整備された。障がい者が生活しづらいと感じる原因は、障がい自体でなく社会の側にあり、障がい者への社会的障壁を取り除く必要があるという立場で、社会の側から積極的に対応することが障がい者の人権や自由の確保にとって重要であるという考え方と認識する。